見下ろされる迫力に呑まれそうになっていると、その不良は 「…ん?」 と優しい低い声を出して、右手に持っている〝もの〟をあたしの目の前に差し出した。 『……あ……』 その〝もの〟は今の今まで自分が探していたもので…… 「………だろ?……ん…」 その不良は、あたしの携帯をあたしの机の上に置いて去ってしまった。