「何?」 ものすごく目が合って、すっごい形相で睨まれた。 『……いや、別に…』 目を逸らしながらそう答えると、その人は“ふ~ん…”と言ってどっかに行ってしまった。 びっくりした……。 匂いは誓と似てたけど、外見は全然似てなかった…。 それもそう。 だってさっき通った人は、灰色の髪の毛に茶色の瞳。 そして、これでもかってほど制服を着崩していたんだから。 そしてこれが、あたしと〝カナタ〟の出会いだった。