どれくらい、カナタの腕の中で泣いただろう。 気づけば夕日で空は赤く染まっており、部活が終わって帰る人も見える。 『…カナタ、ありがとう』 あたしはカナタにお礼を言って、埋めていた顔をあげて離れた。 「どーいたしまして」 ぶっきら棒に返ってくる返事は、なぜだか心を軽くする。