「痛っ!」



隼人は一層力を入れ、
あたしの手首は
今にも折れてしまいそうだ。



「二度と面見せんな!消えろ」



感情の込もっていない、
低く冷たい声で言い放つ隼人。


そのキツく掴まれた手首を勢いよく振り払い、
あたしは昼間きた道を走った。




遠くへ…
出来るだけ遠くへ…



夜の闇に包まれていくあたし。


心にはすでに黒い闇が広がっていた…