坂本を紹介されて一週間。


あたしは母に坂本との関係を言えずにいた。


と言うより言えるような関係ではなかったので、
いつも以上に母と顔を合わさないようにしていた。



母が仕事に行っている間は家にいて、
昼間母がいる時間は逃げるように外に出掛ける。



楽しい事以外何も考えたくなかった。


辛いことや悲しいことなんていらない。


面倒なことに関わりたくない。
今までずっとそうしてきた。


嫌な事からは逃げればいい。
逃げれば嫌な事だってなんとかなる。




――こう考えるあたしに、
自分自身を深く強く傷つける
悪魔の罠はすぐそこまで迫っていた…