ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』


「修ちゃん・・・・本当なの?本当・・・?」


「本当だよ。俺、走れるんだ。バスケも・・・」


「・・・・・」


汐は、ぽろぽろと涙をこぼしながら、ようやく声を出した。


「修ちゃん・・・・修ちゃん・・・・良かったぁ~・・・・良かったよ・・・」


「・・・・・・」


てっきり、なんで黙ってたの、って言われてもおかしくないと思ってた。


だって、俺はそれでキミを縛ってたんだから。


「修ちゃん、また・・・バスケ、出来るんだよね?あきらめないで・・・・良かった・・・」


泣きながら一生懸命話そうとする彼女のゆれる肩を、とっさに抱きしめたい衝動にかられて思わずぎゅっ、と拳をつくった。



「これ」


投げたそれは、きらりと輝いて彼女の手の中におさまる。


小さなボールのキーホルダー。


最後まで俺の体を気遣ってくれて。


最後まで俺のバスケットボールをあきらめないでいてくれて。


本当にありがとう。