試合が終わってからすぐに監督は病院へと向った。
後は、片付けの人たちが、コートの中に広がった。
俺はベンチに座って、照明にぴかぴか光っている金色のコートを眺めていた。
・・・・・あれ?
コートの片隅にぽつんと小さなものがみえる。
なんだ?
手を伸ばしてそれをつまむと・・・・ボール?
バスケットボールか?
小さなキーホルダー型のバスケットボールだった。
なんだろう。
不思議だけど、その時俺の頭にひらめいたんだ。
もしかして、これ、凱か汐のじゃないか、って・・・。
それは、いつかカバンに下がっていたのを記憶の隅に覚えていたのかもしれない。それはよくわからないけど、その時はなんとなく、ぼんやりとそう感じたんだ。

