ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』


彼女が泣いてる。


喫茶店のテーブルの向こう側。


俺はただ、嘘を並べ続けるんだ。


最低な奴だ、って思え。

ひどい奴だ、って思え。



それで、汐の罪悪心が少しでも軽くなるなら、


俺はいくらでも嘘をつくよ。



店を出て振り向くと、遠くで彼女が泣いてるのが見えた。


そこに差し出される腕は俺じゃない。

涙をぬぐう指は俺のものじゃない。



凱・・・・。



きっと、彼女は大丈夫。


俺はくるりと背を向け、通りに向って歩き続けた。