耳にあてた携帯をその腕と共にだらりと下に下げると、俺はふらふらと濡れたベンチに腰掛けた。 上を見上げると、必死で空に光る一番星を探そうとするけど、 「あるわけ、ないか・・・・」 雨で曇った空の中、それでも一瞬だけ、星が光ったような気がしたんだ。 「見っけ・・・・」 それは俺自身の涙だったのかどうかはわからないけど、 確かに・・・・見たような気がしたんだ。 汐。 幸せになって。 それだけが、俺の望みです。