「うん。うん・・・・わかった。今、代わる」
どのくらいの時間がたったんだろう。
1時間?2時間?
よく、わからない。
タイチの携帯が鳴り響いて、その携帯を俺の方にさしだしたタイチは少し青い顔をしていた。
「トモから・・・・汐ちゃんが・・・・・いなくなったらしい」
・・・・・・っ。
汐・・・・・。
「おい、修也!」
自分の携帯を手に取り、とっさに玄関に向かった俺の後ろからタイチの声が響いた。
「・・・・ごめん。やっぱり無理だ。汐が・・・・必要なんだ」
玄関のノブを握り締めて搾り出した俺の声に、タイチはそれ以上何も言わなかった。
「探してくる」
そうして部屋を飛び出した俺は頭の中で何度も繰り返した。
汐、ごめん。
ごめん、ごめん、ごめん・・・・。
どこにも、いかないで。
俺のそばから、離れないで・・・・・っ!

