ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』


「うん。うん・・・・わかった。今、代わる」


どのくらいの時間がたったんだろう。


1時間?2時間?


よく、わからない。


タイチの携帯が鳴り響いて、その携帯を俺の方にさしだしたタイチは少し青い顔をしていた。



「トモから・・・・汐ちゃんが・・・・・いなくなったらしい」



・・・・・・っ。


汐・・・・・。


「おい、修也!」


自分の携帯を手に取り、とっさに玄関に向かった俺の後ろからタイチの声が響いた。


「・・・・ごめん。やっぱり無理だ。汐が・・・・必要なんだ」


玄関のノブを握り締めて搾り出した俺の声に、タイチはそれ以上何も言わなかった。


「探してくる」


そうして部屋を飛び出した俺は頭の中で何度も繰り返した。



汐、ごめん。


ごめん、ごめん、ごめん・・・・。


どこにも、いかないで。


俺のそばから、離れないで・・・・・っ!