簡単にシャワーを浴びてから、着替えると、更衣室の片隅に立てかけてある銀色のスティックに目を落とした。
汐・・・・。
俺さ、走れるようになったんだ。
今日、タイチとトレーニング始めたんだよ。
プレイヤーとして触るボールはやっぱり気持ちよかった。
汐。
お前がいてくれたから。
いつでも隣で笑ってくれてたから。
ありがとう。
だけど、
もう少しだけ、もうちょっとだけ、
って思うのは・・・・
もしかしたら、キミがこのままずっと一緒にいてくれるんじゃないか、
って期待してしまうのは・・・・
・・・・日米親善試合が始まるのは、あと少し。
凱が・・・・帰ってくる。

