結局、言えなかった・・・・手術のこと。 部屋の机の引き出しを開けて、乾いたクローバーの葉っぱを指でつまみあげる。 机の明かりに、それをかざしてくるくるとまわすと、まるで汐が笑ってるように見えた。 あの日・・・ 本当はあきらめかけていた俺の背中を、 『修ちゃん、バスケをあきらめないで』 って、ぽんと押してくれた。 この数年。 指導者としていろいろ関わらせてもらって、プレイヤーの時には見えなかったものが少しずつ見えるようになってきたりして。 俺にとっては、貴重な時間なんだと思う。