その時、現れた私服の男の姿に。
俺の服をぎゅっ、とつかんだ汐の指は震えてて。
もう一度そいつを見ると、一瞬何かがキラッ、と光ったように見えた。
やばいっ!
思わず飛び出してもみ合った直後、
足に熱い痛みが走った。
・・・・・っ!?
そいつは俺を見てその動きをとめた。
あれ?
力が・・・入らない・・・・・・。
熱い・・・痛い・・・・。
沈み込んだ俺の体の上で、
「キャー!」
汐の叫ぶ声が薄く聞こえた。
お願い。
泣かないで。
汐。
俺は、キミの笑ってる顔が好きだったんだ。
だから・・・・泣かないで・・・。

