『バスケット、って何人でするものなんですか?』
『え?』
『全然わかんないからぁ・・・修也さん、教えてくださる?』
上目遣いでコーヒーカップを揺らしながらしゃべるこの女の子に、
俺はハハハ、と愛想笑いをするしか出来なかった。
(修ちゃんっ。それ「営業スマイル」でしょ)
懐かしい声が頭の中で蘇る。
『ぷ、ククク・・・』
口に手を当ていつまでも笑ってる俺を「見合い相手の女の子」は変な顔をして見ていた。
汐。
俺、どうなるんだろうな。
・・・どうなってもいいよ。
どうなってもいい。
「修ちゃんの夢、見つかってよかったね!アメリカでバスケいつかできるといいね」
そう言って隣で笑ってくれたキミはもういないから。

