汐・・・・好きだった。
初恋だったんだよ、ってそういえば一度も伝えたことがなかったね。
俺は、キミを好きになって、本当に良かった。
なくしかけていた夢へのステップを、いつもいつでも忘れるな、ってあきらめないで、って俺に伝えてくれてくれたのは、キミだったから。
空を見上げながら、頬に冷たい感触を覚えて指でなぞると、いつの間にか瞳から涙がながれていることにようやく気がついた。
今・・・・星空に想うよ。
汐。
今まで本当にありがとう。
愛しくて、愛しくて・・・・自分よりも大事に思える・・・
本当に本当に、こんな気持ちを俺に感じさせてくれてありがとう。
そして俺も忘れない。
キミが見つめた空のことを。
キミと見上げた空のことを。
『修ちゃん、がんばって!』
かすかに彼女の声が聞こえた気がして、思わずふっ、と笑いが出る。
「・・・・・サンキュ」
小さくつぶやいて、歩き出した俺の上には、いつまでもどこまでも星空が広がっていた。
fin.

