消えたい

 
少しずつ
校舎が見えてくる

立ち止まって眺めてみた
その白っぽい校舎を

不思議と何も感じなかった
あんなに行くことを恐れた場所なのに

ただ悠然と、そこに在った

一歩踏み出す

コツンとローファーが音を立てる

一歩踏み出す

さぁっと風が吹く音がする

一歩踏み出す

私はもう目を閉じてはいなかった