消えたい

 
「どこかに入ろうか」

さっさと歩きだした由妃を
眺めていた

行き交う人々の合間を
うまく通って
止まることなく進んでいく

私も後を追ってみるが
うまく通れなかった

「お~い、早く!!」

大声で呼びかけてくる由妃を恥ずかしいと思った

初めて
一緒にいる他人が恥ずかしいと思った