また、ボールが動き出すとともに、翔がボールを取る。

そのまま、相手のゴールに一直線に走る翔。


これで、決める気だ。



「頑張れ―!!翔――ッ!」


出来る限りの声を出して、翔に声援を送る。

届いてたかな?

届いてたなら、嬉しいな。




残り、10秒。


9

8

7…


翔が、前に来る東校のメンバーを避ける。


シュッと、ボールから手を離すと、ボールは、リングの上を転がる。


6


5


4


3…





"トンッ、トン、トンッ……"



2…と、次の数を数えようとしたその瞬間、ボールは、ゴールには入らず、外側に落ちて行った。