その男子友達の名前は、 屯倉 翔(みやけ しょう)くん。

私と同じバスケ部。

学年も一緒で、クラスも一緒。

ずっと一緒に居るせいか、気になって仕方なかったから、告白したのに……。



「フラれた………」

「まあ、まあ、元気出せって!」




私の背中をバシバシ叩いてくるのは、

私の親友の 真辺 リツ(まなべ りつ)ちゃん。

ボーイッシュで、明るい女の子。



「もう、明日から普通に喋れる訳ないよぉ…っ……うっ…」

「おい、おい!泣くなよ~」




誰だって、フラれたら、泣くか落ち込むかはするはず。

だって、悔しいんだもん。




もし…。もしも、本当に付き合えたなら、どこかに一緒に出かけたい。

手を繋いで歩いてみたい。


自転車のうしろに乗せてもらって、登下校してみたい。


いっぱいそんなこと考えて、浮かれちゃってた。



「…私、ただの妄想してただけじゃんよ……リツ~…私を、学校という魔の手から救ってくれぇ~…。」

「無理だっつーの。」




本当に、明日からどうしよう…。

顔見るのだって、前よりもっと恥ずかしい。

男バスの応援、もう行けない。





だけど、私はあなたのことを避けたいはずなのに、

目が離せなかった。