「……さくら…。…あの…」
美夏ちゃんが、俯く私に話しかける。
目をあちこちに泳がせて、焦ってるのかな?
「…あたし、何言ったらわかんないけど…次があるよ!さくらだったら、出来るって!」
きっと、私を励まそうとしてくれてるんだ。
美夏ちゃんにとって、精一杯の優しさなんだと思う。
だけどね、「次があるよ」、「さくらだったら出来る」そこの言葉が、背中に凄くののしかかってくるんだよ。
こういう時、友達の優しさが、逆に辛さを増すものになるって、初めて気づいた。
翔とか関係なく、普通にバスケが好き。
将来の夢は?って聞かれたら、全国的に有名なバスケの選手だって答えてる。
私の夢は、途切れてしまった。
「そうだよね!次があるよ!今度こそ、美夏ちゃんと一緒に、全国出るもんね☆」
自分の気持ちに嘘をつく。
悔しくて、悔しくて…泣いてしまいたい。
これでも、いつも一生懸命やってきたのに…。
「今日は、発表だけだから、帰って良いよー!」
先輩の言葉に、重い足取りで門まで歩く私。
リツもいないから、一人ぼっち…。
俯きながら歩いていると、門に誰かが立っていた。

