「遅れてすみませんでした!!」
部長に、頭を下げて謝る私。
「たった一、二分の遅刻だし、そんなに誤らなくてもいいよ。でも、次からは気をつけるのよ」
「はい!」
よかった。
これで選手になれなかったら、どうなっていたことやら…。
「では、全国大会に出場するメンバーを発表したいと思います」
ゴクリと生唾を飲み込む。
「早坂 紗江さん。秋元 美奈子さん。山倉 菜々美さん」
どんどん名前が挙げられていく。
名前が呼ばれた子は、黄色い声を上げて友達と騒いでる。
「安土 美夏さん」
「やったぁ!!」
呼ばれた瞬間、バッと立ち上がる美夏ちゃん。
そうとう嬉しいんだなぁ…。
最後の1人、誰になるんだろう…。
私でありますように…。
祈るように、その言葉を心で繰り返す。
「最後に、宮野 葵さん」
その言葉を聞いた瞬間、私の肩は、ガクッと下がった。

