さっきの沈黙とは訳が違う。


すごく胸がドキドキして…

吉田に心臓の音が聞こえてしまうんじゃないだろうか。


「…」

「……」


―ドクン…ドクン…

―ミーンミンミンミン…


蝉の声と心音が重なって聞こえる

――ドクドク…ドクッ……―



「なぁ…」


沈黙を破って吉田が私に呼びかける。だけど、私はそれをさせまいと言葉で遮った。


「ゎッ…忘れてっ!!今言ったことは忘れてっ////」

「…忘れねぇ。」


吉田の声のトーンが低くなり少し緊張する…


「なんでよっ////吉田には関係ないでしょ!」


顔が熱い…夏のせい?それとも…


「あんだよっ!!関係あるんだよ…」


吉田は急に大きな声を上げたくせに、語尾は徐々に小声になりながら俯いた。


「吉田??」


俯いたままの吉田が何か言ってる


「…暇だからってわざわざ来るかよ。」

「え??」

「暑いのにわざわざ来てやるかよ…」

「何言って…」

「好きだからだろっ!俺は、お前のこと好きだからっ!!」


言ってる意味がよくわからない。


「……は…?!」

「好きなんだよ!唄の事がっ!!ずっと好きだった!」


顔を上げた吉田の視線と私の視線がぶつかった。