見ず知らずの高校生に急にこんな事を言われて普通であれば戸惑うのだろう。

だけど、彼女…真夏さんは私の予想とは反する反応を見せた。


「はいっ。」


私の言葉に即座にそう笑顔で返事をした。


「っ!?怪しいと思わないんですか?」

「・・・?全然。」


真夏さんの反応は私の方が不思議に思うくらいだった。怪しいと思わないのかと言う問いに、きょとんとして首を傾げている。


「私に用って?」


その反応に私の方が吃驚していると真夏さんに笑顔で用件を聞かれた。



「今、私の隣にいる彼は…鳴海 透さんです。」


私はそう言って透さんの方を向きながら手で指した。私の指先を追って真夏さんの視線も透さんに届いた。


「え…透っ?!」


目を見開いて、ただ透さんを見つめている真夏さん。


「信じられないかもしれないですけど‥‥」

「なぜ?信じるわ!…そう、透…久しぶりね。」


真夏さんは一度私に視線を戻して笑った。そしてまた透さんを見つめてそう言葉をかけていた。


「真夏…君は全然変わらないね。そういう素直でまっすぐな所…。」


真夏さんの言葉に透さんは嬉しそうに微笑んでいた。