夏休みも半分ほど過ぎて、私は毎日図書館にいた…

いつ来るかわからない透さんと、すれ違わないように。


また、会えるように…













「こんにちは。」

「こんにちは!」

「いつも唄さんは僕より先にいますね。」


微笑む透。


「ほかに行くとこないんです!!ここは本が沢山あるし、涼しいから天国ですよー!?」

「…昔、同じ事を言ってる人がいましたよ。」


透さんは一瞬目を見開いて…そして笑って。懐かしむようにそう言った。


「ほんとですか?!気が合いそうですっ!!」

「えぇ、きっと仲良くなれると思いますよ。」


白い歯を見せて笑った唄に、今までに見せた事ない程の笑顔を見せる透。


「どんな人なんですか?」

「唄さんと一緒で、毎日の様に図書館に通う人でした。」


そう言って柔らかく笑った。


「恋人がいなかったところも似てますね。」


少しずつ思い出す度にクスクスと笑い声がこぼれる。


「ほんとですかぁ!?」

「恋人はいなくても困らないからって。」

「ぁ……考え方まで同じですよ!」

「唄さんは彼氏はいらないんですか?」


透は不思議そうに首を傾げた。