照りつける太陽が、肌を焦がす

灼熱の炎にやられて倒れそうだ…





―ミーンミンミンミンミン…

―ジージージー‥‥


蝉の声がうざったい…




“愛してる”

“君が一番綺麗だよ”

“結婚してくれ!”



そんな溶けてしまいそうなほど甘い甘い唄を歌っているんだろう…


そこには、私の認めないセカイが広がっている…









「はぁ……図書館は涼しいなぁ〜!」



長い夏休みが始まった。
私は一日目から図書館にまっしぐら。本はいろんな知識を私に与えてくれるからスキだ。

クラスメイトは彼氏と遊びに行く計画を立てていたけど…私には彼氏はいない。


否、いらない!恋愛なんて必要ない。

そう思って17年生きてきたし、不便なことなど一つもなかった。


「今日は何を読もうかな。」


いろんな本を手に取り適当なものを探す。ふと、誰かと手が重なった。


「あ、すみません。」

「いえっ!!」

「あぁ、もう夏休みですか?」


柔らかな優しい笑顔で、そう問いかけてくる男性


「え?」

「いつもは制服できてますよね?」


…また優しく笑った。


「あ、はい!」


なんだか少し恥ずかしくなった。