「飲まねーの?」
カップを差し出されたけど、首をブンブンと横に振った。
コーヒーなんて飲む余裕なかった。
「じゃ、オレが……」と、岳さんはベッドに腰掛けて、コーヒーを口にした。
岳さんの体重でベッドが沈み、意識がそちらに向く。
ううっ……。
こんな近くにこないで欲しい。
できるだけ体を小さくする。
ブランケット一枚。
今あたしの体を隠しているのは、そんな頼りない布だけなんだから。
「椿」
「はいっ!」
ふいに名前を呼ばれ、
飛び上がるように驚いたあたしは、ヘンな返事をしてしまった。
「プッ」って、岳さんは吹き出す。
もぉ……またバカにされてる。


