「これって……」 部屋の中を見渡すあたしは、口をポカンと開けていた。 「アトリエ?」 そう。 そこはまさにアトリエって感じだった。 絵の具やキャンバス……画材道具が無造作に置かれていた。 中央には複雑なレリーフがほどこされたアンティークっぽいベッド。 前に女の人が「寝心地が良い」って言っていたのはこのベッドのことなのかな。 そう考えて、ハッとした。 「もしかして、指が赤くなってたの……って、絵の具?」