ハニー*スパイス





「……で。
ここに来たってわけか」



咥えタバコの岳さんがいつものようにコーヒーを差し出してくれる。


パパと別れて、あたしの足は無意識のうちにヘクセンハウスに向かっていた。



「言っとくけど。
オレ、なぐさめねーよ?」


「別に、なぐさめられたくて来たわけじゃないもん」


目に涙をためてそう言うと

岳さんはチラリとあたしを見て「ガキだねー」と鼻で笑う。


ダンッとあたしはテーブルに手をついた。



「ガキじゃないもん!」


「お前はガキだ」