ハニー*スパイス

すがるようにじっとあたしの目を見つめるパパ。


なにそれ?

あたしだけが悪者なの?


まるであたしがわがままいって、駄々こねてるだけみたいじゃん。



言いたいことはたくさんある。


でも、考えがまとまらない。


胸の奥から、何かがこみ上げてくる。


ずっと抱えていた不安が塊になって押し寄せてくる。


もう爆発しそう……。


「……パパは、全然わかってない……」


グッと涙をこらえてそれだけ言うと、走り出した。



「椿!」


背後からパパの声がしたけど、振り返らなかった。