目の前に出されたのは、チョコレートでコーティングされたクッキーのようなものだった。 「いただきまーす」 一口、パクり。 最初は甘いチョコレートの味がして……。 だけどあたしはすぐに顔をしかめた。 「うっ……」 「ダメだろ? それ」 あたしのためにコーヒーをドリップしながら、岳さんはクスクス笑う。 「日本人向きのおやつじゃねーよな」って。 なんていうか、複雑な味。 スパイスがたくさん効きすぎてて。 なんだろう……シナモンとか……他にも色々。 甘いんだけど……舌がピリっと刺激される。