店内は思いのほか狭かった。 カウンター席にスツールが6つ並ぶ。 あとはテーブル席が4つあるだけ。 店の奥にはドアがふたつあって、 ひとつは【Toilet】、もうひとつは【Private】という札がかかっていた。 岳さんはここで暮らしてるのかな……。 ぼんやり【Private】のドアを見つめていると、カウンター越しに声をかけられた。 「何か飲む?」 「何……って言われても、何があるんですか?」