「山口さん……」


涙を流しそうになったあたしに、山口さんはおどけたように微笑む。


「……って、すみません。
結局しゃべりすぎちゃいましたね」



あたしはぶんぶんと首を横にふる。


そして小さな声で「ありがとう」と感謝の気持ちを述べた。




「椿さん、よいクリスマスを」



「はいっ。山口さんも! よいクリスマスをお過ごしください!」



ペコリと頭を下げると


今度こそ走り出した。



3年前、あたしが迷い込んだ


……あの森へ。