ハニー*スパイス

無数の花で覆われた通路の最終地点。


今度こそ、そこが本当の行き止まりになっていた。




その壁には、大きな抽象画が飾られていた。


深くて、鮮やかで、でも、ちょっとくすんだような色でもある


“赤”だけで描かれている油絵。


パッと見だと、ただ色を雑に重ねただけのようにも見えるけど……。


中央に誰かが横たわっているのがわかる。


細かな顔の表情までは描かれていないけれど、目を伏せて恥ずかしそう俯く姿。


まだ少女っぽさの残る骨ばった華奢な体。


あれは……。


3年前のあたし?