係員が説明を続ける。 「これはあるお菓子に使われる材料なんです。 ですが、ここにはあとひとつ、とても重要な材料が書かれていません。 その答えがパスワードになっています」 「ええっ」 そう言われても思い出せない。 あんなの、一度聞いたきりだし。 お菓子の材料なんて記憶してないよ……。 途方にくれていたその時、係員はそっとあたしに耳打ちした。 「しょうがないですね……。 ではアナタにだけ、特別にヒントを差し上げましょう」 「えっ」 なんであたしだけ?