「じゃ、行ってくるね」 立ち上がって、あたしはみんなに笑顔を向ける。 「椿、ちゃんとチケット持ってるのか?」 パパに聞かれて、「うん、大丈夫」と、バッグの中を覗き込んで確認する。 「しかし、あの岳君が、そんなにすごい人だったとはなぁ……」 しみじみそう言うパパ。 アメリカでも成功したGAKU SERIZAWA。 今や彼の作品はものすごい高値で取引されているらしい。 そんな彼が、日本……しかもこの街で個展を開くことになった。