ハニー*スパイス



「は? オレ? どこが?」


「見た目、すごーく甘そうなのに。
スパイスみたいに刺激的なの」


岳さんは眉間にしわを寄せる。


「それって褒められてんの?」


「んー? 
どうだろ?
いや、もっとスパイス効いてるかも。
だって、すごーく意地悪なんだもん」


「ああ?」


って不機嫌そうな顔を、岳さんは近づけてきた。


至近距離で目が合ったまま

「でも……」とあたしは言葉を続ける。



「お菓子も岳さんも……クセになっちゃってやめられないの」


無言のまま、岳さんはじっとあたしを見つめる。


キスしてくれるのかな?


なんて一瞬期待しちゃったけど。



パッと顔を離されてしまった。