男の人が帰った後、 岳さんはいつものように、あのお菓子とコーヒーを出してくれた。 最初は苦手だったお菓子の味にも、最近ではすっかり慣れてしまって、おいしいとさえ感じる。 「ねぇ、岳さん」 「んー?」 「このお菓子って、何が入ってんの?」 「それは企業秘密デス」 「えーいいじゃん、ケチ」 ぶぅって頬を膨らませて文句を言ってると 「ウソウソ」って岳さんは笑った。