黒川は鎌を手の平に乗せ(何故か手の平と水平になった)ズブズブと跡形も無く消した。
 こちらを振り向か無いままスタスタと歩き出し、僕は慌てて追いかける。

 「ちょ、ちょっと待てよ・・・能力って何? あの鎌どこ行ったん? そういやなんで僕の部屋に居たん?」

 「一気に質問しないでよ・・・まあ、ちゃんと説明出来る人が居るからそいつに聞いて」

 「いやいやいやいや教えようよ黒川。そんな気になるところで止められたら困るんだけど」

 突然黒川の動きが止まる。やはりこちらを振り向かずにこう言い放った。

 「呼び捨てやめて」

 「はい、すいません」


 そこからは変な人達も襲って来ず平和な感じで歩いた。そしてそこからは僕たちは一度も話す事は無かった。僕にとってその時間は平和であり苦痛(隣で歩いていたら恋人に見えるかもしれないがそれすら無い、だって僕が斜め後ろをついて歩いているから!)でもあり、誰も来ないのはありがた迷惑でもあった。不謹慎だが。