僕は今追いかけられている。








 白い光を鋭く反射する得物を持った誰かに。





 汗で髪の毛やシャツが肌にべたりとつく。息は運動不足が祟ってか、きれる。不快だ。









 ──・・・確かに恨まれる様な事はしてきた。







 そう、例えば──・・・








 あれ、思い出せない。僕ってやな奴だな。









 でも、今は逃げ切らな














 ──・・・熱い。下腹部が、熱、い







 刺されたのか、僕は。







 「ぐあああっ」



 痛みが、熱さが喉からほとばしる。



 僕がその場に倒れ込むと刺した奴は物足りない様で何回も僕の身体を刺す、刺す、刺す。







 身体がズン、と下がった。








 地獄に、落ち、るの、か、な──・・・









 意識と身体が下に落ちた。


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