魔女と呼ばれた女は独り、今宵も月に乗る。 帳の降りた青鈍(あおにび)色の夜を女は渡るように風に任せて飛んでいた。 魔力で生み出された光り輝く乗り物は、三日月がモチーフなのだろう形に見える。 女はその光に、脚を揃え横乗りで身を預けていた。