planetarium antique

 

「…次は、いつ会える?」



 寂しさをこらえた声だということを、侑貴はすぐに分かってしまった。会えなくてもどかしい気持ちが、隆一を支配している。

 だが、彼は何よりも侑貴を一番にする人間である。"もっと一緒にいたい"と思う気持ちは、隆一の方が強いかもしれない。


「わからない…でも、近いうちにまた会いたい」

「じゃあ、侑貴の都合の良いときに」

「…ええ。それでは、」


 侑貴はそう言い、屋敷の塀の方を向く。すると、急に隆一に後ろから腕を引かれた。


「え?」


 隆一は近くに人がいないのを確認すると、そっと侑貴の唇に自分の唇を重ねた。そして、ゆっくり唇を離す。


「……それじゃ侑貴、また今度」


 侑貴は顔を少し赤らめながらコクリと頷き、裏口の戸を開けて屋敷へと戻っていった。

 すると、見慣れた美しい青年が前から颯爽とやってくる。その顔には、昼と同じような優しげな笑みが浮かんでいた。


「侑貴様、おかえりなさいませ」


 耳元で、誰にも聞き取れないような小声で囁かれた。ふいに、結崎は侑貴の首に目線をやる。そして、にっこりと微笑んで彼女を見た。