教室を飛び出したものの
行く場所もなく、
とりあえず誰も居ない屋上に
向かうことにした。
一人になると冷静になれる。
何であんなに言っちゃったのかな…
確かに、あんな奴大嫌いだよ?
でもきつく言い過ぎたよね。
仮にクラスメートだし?
しかも隣の席だし?
絶対気まずいよね…。
昔からこんな性格嫌だった。
中学生のときだって…
『あ!村上君だぁ』
私の初恋の相手村上真治。
周りから両思いだの
付き合ってるだの言われてた。
私も村上君のこと好きで
気持ちは通じあってたのに…
『村上君と陽菜って両思い
なんでしょー?』
『え、ないない(笑)』
『でも陽菜は村上君が好きなんでしょ?』
『えーありえないし!
あんな奴好きじゃないよ。
むしろ嫌いだし!!』
大好きだったのに、
冷やかされるのが嫌で
思ってもないこと言って…
『あ…村上君…』
『え?』
『お前俺のこと嫌いだったんだ。』
『や…今のは…』
『べ…別に俺もお前なんて
好きじゃねーし!嫌いだし、
好きとかただの噂だし』
『…あっそーですか。』
それっきり村上君とは
会話もしないまま卒業。
今はもう未練なんてないけど
さすがにあの時は辛かったな。
この性格どうにかしなきゃ
恋なんてできないよね…。

