「陽菜、いつから川崎君と
仲良くなったわけ?」
私があだ名で呼んでるとこを
聞いた美香が興味深々で
私に問いかける。
「美香が私を置いて逃げたとき」
「あ~!あんときね(笑)」
「だけど!勘違いしないでよ?
私りょーちゃんに興味ないから」
私はきっぱりそう言うと
自分の席に戻った。
隣を見ると女の子に囲まれて
嬉しそうにするりょーちゃん。
こんなんだから…
私はりょーちゃんが嫌なんだ。
じっと見ていると
一人の女の子と目が合った。
(や…やば…。)
「なーにぃー磯山さん」
「…や…なにも」
甘ったるい声も
嫌みなしゃべり方も
耳障りで仕方がない。
「陽菜も俺んとこ来る?」
「えーやっぱ亮大は磯山さん
狙いなのぉ?やだー…」
「は?何でわか…」
(もう我慢できない…!)
―バンッ
思わず私は自分の机を叩き
りょーちゃんのほうを見た。
「陽菜?」
「さっきから耳障りなの!
例えあんたが私狙いだとしても
私はあんたみたいな男
だーいっきらいだから!!
そこの女達勘違いしないで」
周りが一瞬に静まり返った。
…言ってから後悔です…。
さすがに言い過ぎた?
この空気に耐えられなかった私は
勢いよく教室を飛び出した。
後ろから美香の声が聞こえたけど
そんなの気にしない。
私…クラスみんなの前で
あんなこと言って
絶対みんな引いたよね…
あー。何で私っていつも
こうなるんだろう。

