―ガラッ


一番の親友の美香と
教室に入ると、ほとんどが
知らない子ばかりだった。


「私、陽菜が居てくれてよかった」

「私も(笑)」


そう言って笑いながら
クラスの座席表を見に行くと
私の周りには知らない名前
ばかり並べてあった。


「美香遠いね~…」

「本当ありえない…って
あんたの隣川崎亮大じゃん」

「かわさきりょーた?」


知らない名前を聞いて
頭にハテナを浮かべると
美香は呆れながら話し始めた。

「顔はすごくいいのに
性格最悪で女泣かせの
史上最強の恋愛ハンター!」

「…なにそれ…やば…(笑)」

「あんたねぇ、笑ってる場合じゃ
ないでしょーが!!」

「なんで?」

「まぁ自覚ないでしょうね」


美香は私にそう言って
「頑張れ」そう呟きながら
自分の席に座った。


(私も座らなきゃ)


このときは私の中で
゙川崎亮大゙という存在が
頭の中にこれっぽっちも
入ってなかった。