forever~愛しい人へ



俺には最大の悩みがある。

俺が陽菜を好きなのと一緒で
俺のことを好きな女もいる。

だから俺の周りに寄って
くるわけで、今までと
変わらない態度を取って
気を持たしてしまうんだ。

陽菜が一番だけど
他の女を突き放すとか
遊び癖をやめるとか
簡単にできないんだ。


それが、あいつを
傷つけることになるなんて
俺は少しも思ってなかった。


「りょーたぁー」

甘ったるい声を出して
俺に寄ってくる女。

「どした?」

「最近構ってくんない」

そう言って俺の肩に寄りかかる。
『離れて』とも言えない俺は
されるがまま。

今まではこれが当たり前。
寄ってくる女は全部遊ぶ。
いらなくなったら捨てる。

それが俺のやり方だった。
でも今はそんな考えが
馬鹿らしくって、
寄ってくる女もいらねぇー


そんなことを考えてると
陽菜が自分の席に戻ってきた。

やばいと感じながらも
何もすることができない俺。


いきなり女が陽菜に
挑発し始めた。

陽菜は俺のほうをチラっと
見るとすぐに目を逸らした。


「陽菜も俺んとこ来る?」


こんな言い方最低だと思った。
あいつはこんな女達と
一緒にしたくないのに…
つい出てしまった言葉。


「えーやっぱ亮大は磯山さん
狙いなのぉ?やだー…」

女はそう言って俺を見た。
…やっぱってなんだよ?
みんな知ってんのか?

「は?何でわか…」

何でわかんの?
そう言おうとした瞬間
陽菜が机を思いっ切り
叩いて俺等を睨みつけた。