―ガラガラ
扉が開く音がして
パッと顔を上げると
あいつが教室に入ってきた。
…やばい。
何を話してるのかは
聞こえないけど
あいつの笑顔、仕草
全部が可愛いく見えて
俺はあいつから目を離した。
「りょーたくん♪」
可愛いらしく笑顔で俺に
近づいてくる慶太。
慶太なら俺の気持ちを
わかってくれるか?
「なぁ慶太…。」
「ん?」
「今まで女本気で好きに
なったことねぇからさ、
わかんないんだけど…
俺の今の気持ちって何?」
俺がそう言うと慶太は
一瞬考え込むと
俺に向かって一言。
「それは恋なんだよ♪」
…そっか。
やっぱりこれは恋なんだ。
俺は本気で陽菜に
惚れてしまったんだ。
喋ったこともない
名前しか知らない子に。

