あいつと出会ってから
気持ち悪いくらい
俺はあいつのことばかり
考えてた。
慶太から名前を聞き出し、
時々隣のクラスにも行った。
でも、あいつが俺を
見ることは一度もない。
自分で言うのもあれだが
俺はモテる部類だし
嫌な意味で有名でもある。
でもあいつは俺に興味なんて
絶対ない。名前すら
知らないと思う。
だから俺は…もっと
名前を知ってもらう為に
あいつのクラスの女を捕まえ
遊びまくった。
馬鹿な俺はこんな方法でしか
自分をアピールできなかったんだ。
「あ~俺もう無理だ」
「何か情報によると陽菜ちゃん
かなり恋愛に疎いらしいし、
お前が女タラシとかそんなの
絶対知らないだろな(笑)」
慶太はそう言って笑った。
笑い事じゃねぇーよ。
こっちは重大なんだよ!!
まぁ、こんな方法で俺の名前を
知ってもらうなんて無理か。
「来年のクラス替えに賭けよ…」
―そして二年生になった今
俺の願いは叶ったんだ。

