「健吾さん、もうきっと大丈夫だね」

そう陸くんが私の頭を撫でながら笑ってくれた。


「うん。だね」


「でもさー…妬けるなー」

「え?」

「健吾さんはいつまで経っても『健吾』って呼び捨てでさ。
俺は、いつまで経っても、『陸くん』って君付けでさぁ…」


拗ねた顔。


「えっ…ごめんなさい!陸くん…怒っちゃいや~」

「ほら…また『陸くん』だし!」


あ…本当に怒らせちゃう…



「りっ…陸…ごめんなさいってば…ねっ…り…陸…」

慌てて、そう呼ぶけど、恥ずかしい…。


「あはは、桃香~顔真っ赤~!!!」


そう言って、あのかわいい笑顔を向けてくれる。