桃香、桃香、桃香…頼む助かってくれ…


俺はそう祈るしかなかった。

ただただ必死に走った…



病院に着いたら、手術室の前に、

ご家族や友達が集まってた。


「陸くん、よく来てくれたね」

お父さんが頭を下げる。

「…桃香さんは…」

「うん。まだなんだ」

見上げるお父さんの視線の先には、

手術中の赤いランプ。


それからしばらくして、手術は終わった。

手術自体は成功したが、あとは本人の生命力次第だって言われた。



それから、3日…



桃香が目を覚ます事はなかった。