桃香を呼んだ男じゃなくて、違う男が桃香を追って走って行った。

誰だよ…あいつら…

桃香は何で、男たちと海なんて…

裏切られた気持ちでいっぱいになった…


でもきっと裏切られた気持ちなのは…桃香の方…。


「陸くん?どうしたの?」

まだ腕の中にいた沙織ちゃんが不思議そうに僕に問いかけた。


「ごめん。俺…行かないと…」

「え?行くって?私陸くんと一緒に…」

「ごめん。俺…沙織ちゃんと一緒に居れない」


そして、桃香の消えた方へ向かったんだ。

桃香は、海の家の裏で、

丸く小さくなって肩を震わせて泣いてた…。


「また泣いてるし…」